髙橋初香
オーデションに来た彼女の印象は「デカい」でした。
下手くそで、読み方も甘いし動きもまだまだでした。
ただ、とにかく純粋でお芝居に真っ直ぐ取り組む姿勢が素晴らしかった。
一つの台詞に悩みまくり、泣き、言い訳をせず上手になる為に全てをかけられる役者。
上手く出来た時にはまた泣く。そんな泣き虫ちゃん。
打ち上げでは泣くし、観に来た親御さんに会っては泣く。
身長が大きいのは泣くからですか?と聞きたくなるぐらい泣く。
当然だけど、僕はお客さんの為に台本を書く。上演するために台本を書く。
でも、こんな人の為に書いているのかも知れない。
色んな事に真っ直ぐで頑張っている人間
髙橋初香の様な人間の為に
そんな人の明日が、少しでも楽しくなるような台本を。
財布は忘れるし、
新沼のイタズラにはビックリするぐらい引っ掛かるし、
肋骨は折る
好奇心が旺盛で絵が上手かったり。
どうやったら面白くできますか?なれますか?
確かに初めは何にも出来ず、演出家や共演者に「おんぶにだっこ」でした。
でもいま、君の努力は確実に実って来ていると思います。
新しい環境で更なる成長をしたいとの事だけど、演劇の幅はとてつもなく広い。どこまでやれるかは本人次第だけど、髙橋ならばきっと実らせる事が出来ると思います。
この世界で再び出会えることを祈っております。
はっち、お疲れさまでした!
ザレ×ゴト主宰 阿部泰之
新沼たかゆき
あまりに昔で、出会いの瞬間なんてもう憶えていません。
知り合いの役者がザレ×ゴトに出演していて、一人のお客さんだった彼が
最終的にはザレ×ゴトの全体を把握し裏から操る参謀となっていました。
芝居の仕方が阿部に似ているだけではなく、ハリーポッター占いでも阿部と新沼はどうしてもスリザリンになってしまうという残念な彼でした。
しかしどの出演回でも必ず爪痕を残し、御湯川教授(11回)に至ってはあまりの異常っぷりに新沼ファン急増という暴挙までやり遂げました。主役じゃなかったくせに。
稽古場では、
メンバーや客演さんに小学生の様なイタズラを仕掛けては知らんぷり。
普段から異常なほど的確なツッコミをし、高橋から拍手を貰う。
墨汁をこぼした様なTシャツを購入する。
ブラシが見付からないのでフォークで髪を整える。
テクニカルリハーサルではメイクを白塗りにし(本人は大真面目らしいが、そうは思えない)で共演者を笑いで死に追いやる。
うん、いいヤツでした。
きっとしばらくはキチンとした社会の歯車として生きていくのだと思います。
芝居を離れるという事、ザレ×ゴトの色が減るという事、残念だけど応援してあげなければいけないと思っています。
いや、そう思わなければいけないぐらい彼はザレ×ゴトを前に進めてくれました。
ホントありがとう。
そして、お疲れさまでした!
ザレ×ゴト主宰 阿部泰之